3月18日,金沢大学博士研究人材支援・研究力強化戦略プロジェクト(HaKaSe⁺)と学務部キャリア支援室は,KU博士キャリアセッション2023の第7弾として「キャリアディスカバリー講座」を開催しました。
キャリアディスカバリー講座は,本学博士課程修了後に社会で活躍している先輩博士を講師として招へいし,学生がその体験談から身近なロールモデルを得て,博士進学を選択肢として積極的に考えるきっかけとするものです。今回は,恐竜渓谷ふくい勝山ジオパークにおいて専門員として活躍する町澄秋氏(自然科学研究科環境科学専攻博士後期課程修了)と,同じくジオパークの専門員として白山手取川ジオパークで活躍する日比野剛氏(自然科学研究科生命・地球学専攻博士前期課程修了)を迎え,講演とトークセッションを実施し,会場とオンライン合わせて,学士,修士,博士の学生と教職員など約30名が参加しました。
最初に,町氏が「とある博士の歩き方」として講演を行い,金沢大学在学中の研究内容,研究手法,野外調査など,博士課程在学中の歩みや,恐竜渓谷ふくい勝山ジオパークの専門員となってからの活動,ジオパークの魅力を語り,続いて日比野氏が白山手取川ジオパークのさまざまな活動を紹介・説明しました。
トークセッションでは,司会の青木賢人地域創造学系准教授が,キャリアとしてのジオパーク専門員についてさまざまな角度から質問し,町氏と日比野氏は,雇用の実情,学士課程から博士前期課程へ進学した理由や,さらに博士後期課程への進学を考えたときの心境,仕事選択の背景などについて答えていました。
大学院学生や進学を考えている学生に向けてのアドバイスとして,両氏は自分の中に柱を持つこと,自分が興味を持ったことを突き詰めることを挙げていました。また,最後の質疑応答では,ジオパークを進路の一つとして考えている学生から,自分の専門分野とジオパーク関連分野とのミスマッチや,ジオパーク周辺地域の過疎化・少子高齢化についての質問があり,両氏がそれらの問題に対してどのように取り組み・工夫しているかを答えていました。
町氏と日比野氏のお話は,学んできた専門分野を活かしたり,科学に携わって活動したりする,科学と一般社会のインタープリター(仲介者)としての進路を選択した先輩博士のエピソードとして,大変参考となるもので,参加者は大変興味深く聴いていました。